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Story
思えば私がカメラに初めて出会ったのは、かれこれ50年前。”エボニー35デラックス”という今で言えばトイカメラをお小遣いを貯めて買ったのが始まりでした。
当時、白黒フィルムが170円ほど。小遣いで買える値段でした。ただしデジタルカメラとは違って、撮影後に現像料がかかります。
今の子供はスマホやゲーム機で簡単に写真を撮影できるので、わざわざカメラを買う必要性を感じないかもしれません。
昔の子供はこんなベークライトのおもちゃのようなカメラでも手に入れれば大喜びで、夢中にシャッターを切っていました。私は、気の向くまま家族や友達の姿を撮っていた事を思い出します。
今と昔の大きな違いは、一枚一枚の写真に対する向き合い方でしょう。デジタルカメラなら、適当に撮っておいて、よく写っているものだけを探し出し、いらない写真は消去していけばいい。でもフィルムカメラの場合は、ただただ自分の腕を信じ、限られたフィルムの枚数で勝負しなければなりません。必然的に、”一枚”に全力を傾けることになります。
その後私は数え切れないほどのカメラを所有する事になるのですが、、、やがて人は、原点に戻るものですね。
フィルム時代のライカを経て、デジタルカメラを使うようになり、最後にたどり着いたのは、デジタルライカの中でもフィルムライクな独特の味わいを持つ、ライカM9とオールドレンズの組み合わせ。この相棒を手に、ストリートスナップやポートレートをフィルムカメラ時代同様、”一枚”に全力を傾けながら撮り続けています。


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